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乳がん検診・乳がん診断

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乳がん検診・乳がん診断について

乳がん検診

乳がん検診で早期発見・早期治療を
欧米では検診の受診率が70~80%と高く早期発見が多いため、死亡率は減少しています。しかし日本では、受診率が低いのが現状です。乳がんの患者数も今なお増加傾向にあります。中でも大阪府は乳がん検診受診率ワースト5に入っており、死亡率も高くなっています。乳がんの罹患率が高くなる40歳以上の女性は、マンモグラフィを用いた乳がん検診を少なくとも2年に1度受けるようにしましょう。

大阪府は乳がん検診受診率ワースト上位!

ワースト 1位 2位 3位 4位 5位
2017年 兵庫(14.1%) 山口(14.1%) 大阪(14.9%) 長崎(16.0%) 島根(16.0%)
2010年 山口(18.4%) 兵庫(18.9%) 島根(19.1%) 大阪(20.1%) 福岡(20.9%)

出典:国立がん研究センターがん対策情報センター

市民・住民検診(対策型)

40歳以上の女性は、マンモグラフィを用いた乳がん検診を2年に1度受けることができます。(→ 触診は除外
30歳から39歳の女性に対して、貝塚市などのお住いの市町村によってはエコーを用いた乳がん検診を受けることができます。
若い方の場合乳腺の密度が高いため、マンモグラフィではX線の画像が不鮮明になり、しこりが発見しにくい場合があるからです。

健診センター・人間ドック(任意型)

マンモグラフィ検査(標準撮影のみ、あるいは標準撮影とトモシンセシスのセット)、エコー検査、視触診検査を受けることができます。
(→ 乳がんセンターニュースNo27/乳がんセンターニュースNo52

特に、トモシンセシスは3Dマンモグラフィとも呼ばれ、1mm間隔の乳房の断層像を撮影することによって、乳腺にかさなって見つけ難い病変を鮮明に描出することができます。トモシンセシスを人間ドックで撮影できる施設は限られており、当院ではオプションメニューでその撮影ができます。

そして、マンモグラフィ検査では乳腺構成の判定を行い、高濃度乳房の場合はその告知と説明、対応をお伝えしています。(→ 詳細)これは市民・住民検診では実施しておらず、この健診センター・人間ドックのみのサービスとなっております。

マンモグラフィを用いた乳がん検診

マンモグラフィとは、乳房専用のX線(レントゲン)撮影のことです。
触診でも分からない早期の小さな乳がんを石灰化や腫瘤として捉えることができ、乳がんの早期発見に有用な検査方法です。
当院でのマンモグラフィはデジタル方式で最も高精細の画像が得られる、画素サイズ 50μmの平面検出器(フラットパネルディテクタ)搭載の撮影装置を導入しています。

最先端技術のデジタルブレストトモシンセシス(3Dマンモグラフィ)を用いたマンモグラフィ検診

当院のマンモグラフィ装置には、乳房の断層像を生成する最先端技術「デジタルブレストトモシンセシス機能」を備えています。それにより、乳房内部の構造が断面で観察でき、従来のマンモグラフィによる撮影では乳腺の重なりが原因で発見が難しかった病変を観察しやすくなっているため、より精度の高い診断を可能にしています。
(→ 乳がんセンターニュースNo27/乳がんセンターニュースNo52

当院の健診センター・人間ドックの乳がん検診では、このデジタルブレストトモシンセシス撮影を追加することができます。また、精密検査では必要に応じて、この撮影を行います。

【マンモグラフィ検診対象の注意事項】
マンモグラフィ撮影で受ける放射線の量はごく僅かで、人体に及ぼす影響は殆どありませんが、妊娠の可能性がある場合や妊娠中、授乳中の場合は、原則として検診を受診することができません。
また当院では、断乳後は6か月以降の受診をお勧めしています。

乳房超音波(エコー)

なお、マンモグラフィ検診では妊娠の可能性がある以外にも、以下の場合には検診を受診することができません。

  1. ペースメーカー、パワーポート、脳室ー腹腔シャントの装着や手術をしている場合。
  2. シリコン挿入や脂肪注入*)、ヒアルロン酸注入*)などを含めた豊胸術(乳房形成術)をしている場合。
    (*:なお当院の健診センター・人間ドックでは脂肪注入とヒアルロン酸注入の場合は受診することができます。)
  3. 乳房に入れ墨(タトゥー)を入れている場合(石灰化様に描出され、病変との鑑別が困難なため)。

マンモグラフィ撮影時には、少ない放射線量で乳房内をより鮮明に撮影するため、乳房を板で圧迫して均等に薄く広げます。そのため痛みが伴うこともありますが、個人差があります。排卵後から月経直前には乳房が固くなり痛みが増す可能性もありますので、その時期を避けていただくことをお薦めします。

【マンモグラフィの高い撮影技術と診断技術】
乳がん検診の精度は、マンモグラフィ装置の精度管理、撮影をする診療放射線技師の技術と画像を読影診断する医師の読影技術に大きく影響されます。そのため「マンモグラフィ検診精度管理中央機構」では、定期的に審査を行い[読影認定医・撮影認定技師・マンモグラフィの画質精度]などの認定を行っています。

当センターでは、マンモグラフィ読影認定医の中でもAランクの医師が複数常勤しています。Aランクの中でも最高レベルのAs判定の医師が2名在籍。院外でも講師として「読影認定医」の育成にあたっています。また、マンモグラフィ撮影資格Aランクを取得した診療放射線技師がマンモグラフィ撮影を専任。使用するマンモグラフィも認定を取得しており「高度検診」の名にふさわしい、充実した体制です。

乳房超音波(エコー)を用いた乳がん検診

エコー検査は、乳房の外側から超音波をあてて組織からの反射を逐次映像化し、乳房の内部を観察する検査です。痛みも無く、身体への負担もありません。
また、放射線を使用しないため妊婦さんでも安心して検査して頂くことができます。エコー検査はしこりを見つけることが得意で、しこりの性状を詳しく観察できますが、マンモグラフィに比べると石灰化を見つけることが苦手です。

乳房超音波(エコー)

しかし、マンモグラフィでしこりの見つけにくい方(高濃度乳房)には有効な検査です。
乳腺超音波検診は、乳腺超音波検査専門技師と乳腺外科医により実施・診断を行っています。(→ 詳細

乳がん診断

放射線検査:最先端技術を用いた高精度の診断

最先端技術であるデジタルブレストトモシンセシスを用いた乳がん検診(健診センター・人間ドック)や精密検査を行うことによって、精度の高い放射線診断を行うことができます。また、最先端技術であるデジタルブレストトモシンセシスを用いた腹臥位マンモトーム®生検検査を行うことによって、精度の高い細胞診診断を行うことができます。

トモシンセシスガイド下乳腺バイオプシー装置を用いた
マンモトーム®生検検査とエコーガイド下乳腺バイオプシー検査

マンモグラフィや乳房超音波検査により、がんの疑いがある場合、組織を採取して検査を行います。これにより、良悪性の判断や腫瘍の状態などを詳しく知ることができます。

マンモトーム®装置は、画像ガイド下で5mm程度の針を乳房に刺して組織を吸引します、通常の針生検に使う針よりも太く、さらに吸引することによってより広範囲の多くの組織を取り出すことができるため、小さな早期癌でもより確実な診断が可能になるのです。局所麻酔のため痛みも少なく縫合の必要もありません。また、傷口も2か月程度で目立たくなります。
当センターでは、マンモトーム®検査に精通した乳腺外科医と放射線技師、看護師がチームで検査を行い、早期の乳癌(非浸潤性乳がん)の確定診断に絶大な威力を発揮しています。

最先端技術を用いた、当院マンモトーム®生検検査の特徴

最先端技術である腹臥位トモシンセシスガイド下マンモトーム装置を導入し、従来の左右のステレオマンモグラフィ画像に描出された石灰化に対して位置決めをする方法に比べて、3D」」乳房の断面で表示された石灰化に対して位置決めをするため、淡い石灰化を見失ったり、ステレオ撮影の左右のマンモグラフィ画像の石灰化が同一か否かの判断に迷うことが無く、大幅に精度が向上して短時間で検査を行うことができます。

マンモトーム®生検検査

そして、マンモグラフィ装置を用いて座位か側臥位の状態でマンモトーム®生検検査を行う施設が多数を占める中、当院ではうつ伏せ(腹臥位)の状態で組織採取ができる腹臥位式のステレオガイド下乳腺バイオプシー専用装置で検査を行います。座位や側臥位の体勢では、目の前で太い針を刺すため、気分不良や貧血症状が起こるなど心理的、身体的に負担がかかります。

腹臥位でのマンモトーム®生検検査では、体勢が楽なうえ針の刺入が目の前で行われないため、心理的負担も大幅に軽減されます。また、360°方向から針を刺入できるため、太い血管を避けた組織採取によって、出血量を最小限に抑えることができ、採取の適応範囲も非常に広くなります。
より安全で、心理的不安も比較的少なく、安心して制度の高い検査を受けて頂くことができます。
当院では外部医療機関や患者さまからのマンモトーム検査のご依頼を幅広く受け入れております。
お問い合せやお申し込みは当院地域連携室(内線236)までご連絡を下さい。