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活動の場と先輩の声

活動の場と先輩の声

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活動の場

医師による医療行為だけでなく、きめ細やかな対応が求められる分野において、看護師の専門性を活かした役割が問われ、看護師専門外来などの取り組みが広がってきました。患者や家族が疾患を理解し、自らが治療の選択などの意思決定を行えるよう支援すること、患者一人ひとりに合わせた療養支援やどのような相談にも対応するための総合看護相談など専門性を発揮する場が多くあります。

また、高齢化社会の進行を背景に高度医療および専門的ケアを必要に応じて地域・在宅で提供する体制づくりが求められ、これまで病院内での活動が主であった資格取得者の活動として、訪問看護師との同行訪問による技術指導や研修会講師など病院外での活躍の場も増加しています。
当院では、12分野を超える専門・認定看護師が、医療の質管理室・病棟・外来・入退院支援センターなどで活躍しています。

先輩の声

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緩和ケア認定看護師/がん専門看護師

白石 裕実 2006年取得/2021年取得

先輩

がん医療では、インフォームドコンセント、がん治療とその副作、症状緩和、今後の治療の方向性、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)を踏まえた意思決定支援、がんゲノム医療、療養環境などに関連したさまざまな課題があります。がん看護専門看護師は、そのような課題に直面している患者・家族・看護師を含む医療従事者へのサポートを行う役割があります。特に、がんの診断と治療の過程では、がん患者の全人的苦痛を理解し、患者・家族に対してQOL(生活の質)の視点に立った水準の高い看護実践が求められます。
現在は、がんサポートチームの専従看護師として患者・家族に寄り添い、患者の価値観や意向・思いを尊重した意思決定支援と、生活の視点に立ったより質の高い看護を提供することを目指しています。また、専門・認定看護師は看護ケアの質向上への役割を担っています。看護師からの相談に応じ、カンファレンスへの参加、他分野の認定看護師や各部署のスタッフと協力して院内継続教育にも携わり、看護師一人ひとりの成長を応援しています。

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乳がん看護認定看護師

梅本 郁奈子 2010年取得

先輩

乳がん患者は年齢や社会背景など様々で、抱えている問題や悩みも一人一人異なります。乳がん看護認定看護師は患者に近い存在として患者に寄り添い、治療選択や術式選択に関する意思決定支援や情報提供、心理的サポート、副作用マネジメントやアピアランスに関連するセルフケア支援などを行っています。また、両立支援・遺伝・妊孕性等に関連する、より個別性の高い専門的な介入も医師や他部門・他施設とチームで連携しながら、適切なタイミングで必要なサポートができるように支援しています。院内外の医療関係者を対象とした乳がん看護の研修会なども毎年行っており、地域住民に向けては「乳がんの早期発見のための乳がん検診・自己検診普及活動」を担当し、その他学会発表や研究会への参加や講演会など、乳がん看護について周辺の医療施設と連携を図れるように活動しています。

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がん性疼痛看護認定看護師

新川 さゆり 2012年取得

がん性疼痛看護認定看護師は、がんの痛みについて総合的なマネジメントを基に、適切な薬剤管理や評価を行い、個別的なケアを計画・実施し患者の苦痛の軽減を図る事を目標としています。また、痛みのみでなく、身体的な苦痛や心理的な苦痛、社会的苦痛などをケアすることで、患者・家族のQOLの向上を図ります。がんサポートチームの一員として、当院に関わるがん患者に対して、統一した看護が提供できるように、リンクナースの教育にも携わり看護の質向上に努めています。

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感染管理認定看護師

水本 雄二 2013年取得

先輩

感染管理認定看護師は感染のリスクを最小限にして、患者様やご家族、来訪者、職員など病院に関わる全ての方を医療関連感染から守ることを目標としています。現在、感染対策室の専従として、多職種と協働しながら病院内での感染症の発生を把握し、感染に対するリスクを最小限に抑えるための対応や、知識向上を目的とした職員への研修、感染対策の実践指導等、組織横断的な活動を行っています。また、院外活動として、泉州感染防止ネットワークに参加し、地域の医療機関や施設への訪問、研修等を通して、感染対策に貢献できるように努めています。今後も「医療関連感染の低減」を目指して、安全で質の高い医療や看護を提供し、職員が安心して働ける職場環境づくりに努めていきます。

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手術看護認定看護師

島田 乃里江 2014年取得

先輩

手術という未知の経験に臨む患者の代弁者となり、精神的サポートや家族を含めた患者に寄り添う手術看護の実践を心がけています。手術室看護師と共に、根拠をもった周術期看護とチームワークで安全な手術看護を提供しています。また、手術治療が選択されたときから手術看護が始まります。そのために、手術看護認定看護師として手術室内だけにとどまらず、入院支援センターや外来、病棟との連携をはかり、組織を横断的に活動しています。
スタッフと共に学びを深め、また手術室看護師の育成だけではなく、外来や病棟などの他部門と連携して手術看護を理解してもらえるよう働きかけ、術前・術中・術後を通して一貫した手術医療と看護の提供を目指しています。また、手術が決定してからできるだけ早い介入の必要性を感じ、現在は入院支援センターで術前患者さんへの手術室看護師の介入を目指しています。

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慢性呼吸器疾患看護認定看護師/
特定行為研修修了

杉山 幸子 2014年/2020年取得

先輩

私は2014年に慢性呼吸器疾患看護認定看護師、2020年には看護師特定行為研修を修了しました。呼吸器疾患者や他科入院の高齢患者が入院中の肺炎を回避できるようにするため、術前の呼吸訓練、喫煙歴や現在喫煙している患者への禁煙指導などの呼吸ケアラウンドを行っています。
看護師特定行為とは、看護師が患者の状態を判断して速やかな対応が行える行為であり、医師の業務を看護師が行うことができます。患者の療養と生活を考慮した介入を行い、患者が安心して療養できるよう支援していきたいと考えています。
また、呼吸器疾患患者への入院時から退院、在宅までの呼吸管理とケア、自己管理が行えるように指導を行っています。肺炎予防のためのワクチン接種の励行を行い、高齢患者の肺炎の予防、手術前後の患者に呼吸訓練の指導を行い術後肺炎の予防に努めています。
当院はがん拠点病院であり、市民の健康増進、がん、循環器、呼吸器疾患の予防、治療中の患者が、効率よく治療が行えるよう禁煙啓発活動や禁煙外来での患者指導を行っています。慢性閉塞性肺疾患(COPD)や間質性肺炎、肺ガン患者に対してのHOT導入の介入、退院指導、在宅訪問を行い、継続看護や訪問看護師との地域連携がスムーズに行えるように努めています。

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がん化学療法看護認定看護師

亀 友美 2015年教育課程取得

先輩

現在、外来化学療法室の専任看護師として外来通院中の化学療法が安全に実施できるよう努めています。がん薬物療法は日々進歩し、新しい薬剤が承認されています。抗がん薬剤、分子標的薬剤、ホルモン薬剤、免疫薬剤、それぞれががん種ごとに適応が異なり、用法や用量、併用薬レジメンも多様化しています。そのため、薬剤についての幅広い知識を持ってがん患者への薬物療法の投与管理、副作用へのマネジメントを行い安全・安楽にがん治療が行えるように援助しています。また、地域と密接した環境であり、住み慣れた土地で安心して、がん治療が受けられるように、患者を中心とした多職種と協働しチーム医療を推進しています。

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糖尿病看護認定看護師

仲上 静香 2016年取得

先輩

2011年に糖尿病療養指導士を取得し、2016年糖尿病看護認定看護師を取得しました。
糖尿病認定看護師として糖尿病自己管理サポートチームにおいて医師を中心に糖尿病療養指導士を取得された多職種のメンバーと糖尿病教室の運営や糖尿病関連のインシデント対策等の活動、糖尿病患者の療養指導で多職種との連携が必要な際にはコーディネートの役割を担っています。糖尿病看護外来では、外来に通院するインスリン・GLP-1受容体作動薬使用中患者の合併症リスクを把握し、必要な療養支援を行い糖尿病合併症の重症化予防に努めています。これらの院内活動とともに院外での活動として、地域住民の皆さまに糖尿病について知ってもらい、合併症の予防にむけた活動にも取り組んでいます。

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摂食嚥下障害看護認定看護師

谷口 友恵 2017年取得

先輩

院内では摂食嚥下に関連すること、栄養に関することを、患者・家族・に対し、実践、指導、相談を行っています。院内では、病棟看護師と連携し、摂食機能療法を実施し、NSTを介して多職種と連携し栄養支援に努めています。認定活動日には組織横断的にラウンドを行い、他分野の認定看護師とも協働して患者の支援を行っています。院外では地域医療連携室を介して、院外での勉強会に赴き、地域の看護師、介護職員への嚥下関連知識の普及や、地域住民に向けての市民講座を行っています。高齢社会により、多疾患の罹患、家族構造の変化、地域社会の支援の変化など、患者を取り巻く状況の複雑化していく中で、多職種連携や地域とのつながりが不可欠となっています。今後も地域包括ケアを見据え、支援に繋げていきたいと考えています。

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皮膚・排泄ケア認定看護師

高浦 聖乃 2018年取得

先輩

皮膚・排泄ケア認定看護師はWOCと呼ばれ、Wは創傷、Oはオストミー(人工肛門、人工膀胱)、Cは失禁を意味します。皮膚・排泄ケア領域は人間の基本的なニーズであると共に、個別性が非常に高く人間の尊厳に関わる部分でもあります。皮膚のトラブル予防や、ストーマの関する専門的なケアの提供など、身体的、精神的なサポートを行います。
外科病棟で勤務していた時に、ストーマケアに難渋する患者さんや、褥瘡があるために自宅に帰ることのできない患者さんを看て、褥瘡やストーマがあっても、患者さんや家族が、我慢しない、あきらめない、その人らしく、生き生きと社会生活を営めるようお手伝いをしたいと思い認定看護師を目指しました。取得後は、褥瘡管理者として院内の褥瘡対策を行いながら、褥瘡外来やストーマ外来で退院後の支援をさせてもらっています。地域に戻られた方からの、相談するところがあると安心する、という言葉と笑顔に励まされながら、寄り添い共に成長し喜び合える看護を提供できるよう、取り組んでいます。

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皮膚・排泄ケア認定看護師

西川 貴子 2019年取得

先輩

人は生きるために食べ、排泄し活動と休息を繰り返します。皮膚・排泄ケアはそういった人間の尊厳に関わる分野です。具体的には排便困難・排尿困難に対するケア、人工肛門・人工膀胱のケア、寝たきりの方の寝床環境調整、予防を含めた褥瘡ケア、皮膚を健康に保つためのスキンケアのお手伝いをおこないます。また治療によって性機能障害を引き起こした場合のセクシュアリティに関するケアもおこないます。治療後に生活調整が必要となれば、できる限り不安なく住み慣れた環境でその人らしい生活が取り戻せるように分野のスキルを生かします。高度化、複雑化する集学的治療が進む中、医療依存度の高い生活者が住み慣れた地域で暮らすためには「自立生活の支援」が不可欠となってきます。皮膚・排泄ケア認定看護師は院内・院外を通して医療的ケアに貢献して行きたいと考えています。
またチーム医療を向上するため創傷管理分野では壊死組織除去、局所陰圧閉鎖療法を医師と協働し実施します。病気の治療を終えた方が笑顔で地域に戻れるよう日々研鑽しています。

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がん化学療法看護認定看護師

黒木 大輔 2014年取得

先輩

がん化学療法看護認定看護師は、がん化学療法看護の専門的な知識や技術を生かし、副作用のマネジメントとセルフケア支援、安全・安心な抗がん剤の投与管理、抗がん剤による曝露対策などを実施し、がん患者様やご家族に対し安全・安心・安楽に治療に臨む事ができるように援助する役割があります。また、がんと診断された後に治療を望まれる患者さまに対し、医師からの治療内容の説明をもとに、わかりやすく補足説明を行い、がん治療に対する理解を深め、前向きに治療を捉えられる手助けを行う事も重要と考えております。がん治療は基本的には長期間に及ぶ治療となり、患者様やご家族様にとって身体的・精神的・社会的に負担が大きくなる場合が大きく、院内のがんサポートチームと連携し、様々な観点から患者様やご家族様を支えられるように関わりを持っています。
院内のスタッフに対しては、安全な投与管理やがん患者様への個別性のある効果的なセルフケア支援の方法について勉強会を通じて指導を行っています。院外の活動として、訪問看護ステーションや看護学校の講義、市民公開講座などを通じて地域での医療従事者の方々と意見を交わし、交流を深めています。

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感染管理認定看護師

楠本 誉士朗 2021年取得

先輩

感染管理認定看護師は、微生物学や疫学など専門的な知識をベースに施設に合った効果的な感染対策を構築し、患者様やご家族をはじめ、職員や病院を訪れる全ての人を医療関連感染から守るという役割を担っています。現在は病棟に所属し、感染管理専任看護師として現場での感染防止対策の状況確認と指導を行い、院内ラウンドや尿道留置カテーテル・中心静脈カテーテルによる感染の発生状況を調査する医療関連感染サーベイランスなどを多職種と連携しながら組織横断的に活動を行っています。さらに地域の皆様に向けて講習会を開催し、感染症や感染防止対策の知識を広める活動なども行っています。
今後も専任看護師として現場で実践可能な感染対策を心がけ、感染リスクを最小限に抑えられるよう取り組んでいきたいと思います。

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認知症看護認定看護師

直井 愛子 2021年取得

先輩

一般急性期病院の役割は、認知症の方、認知機能が低下した高齢者の方が、安心して治療を受け、一日でも早く住み慣れた場所へ戻っていただくことです。そのなかで認知症看護は、患者さん自身がうまく言葉にできない苦痛や訴えを察知し、そのニーズを充たしていくことではないかと思います。プロとしての観察眼と分析能力をもってアセスメントを行い、患者さんのニーズを捉えることが看護師の仕事であるなら、認知症看護はすべての看護に通じるものなのではないでしょうか。そのスキルや知識を、研修や実践を通して院内のスタッフに伝え、認知症の方もスタッフも双方が笑顔で取り組める「笑顔の認知症看護」を実現していくことを目指していきます。

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がん放射線療法看護認定看護師

納谷 理恵子 2021年取得

先輩

放射線療法は、多種類のがんや様々ながんの進行度にあわせて治療を行うことができ、若年者から高齢者まで幅広い年齢層が対象となります。そのため、患者によって治療の目的も変わるので、病態の理解や世代に応じた専門的な知識や技術が必要となります。水準の高い専門知識と技術の提供方法を日々学び、地域に根差した関わりを大事にし、患者とその家族と関わる時間を多くとるようにしてサポートできる体制をとっています。近年では集学的治療が多くなり、多職種との連携が必須です。チーム医療を円滑に進め、多職種の専門性を尊重したコミュニケーションを図りながら、患者により良い医療が提供できるように関わっています。院内の看護師だけでなく、他施設のがん放射線療法看護認定看護師と連携しながら、地域全体が水準の高い看護を提供できるように、定期的に勉強会を開催するなどの環境を整え、助言ができるように努めていきます。