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お薬は何で飲んだら良いのでしょうか?

市立貝塚病院
薬剤部

牛乳

牛乳はたんぱく質・カルシウム・脂肪などの栄養成分を豊富に含み、健康に良い飲み物です。多くの人々が毎朝飲んでいることでしょう。しかし、その牛乳でお薬を飲んで良いのでしょうか?

牛乳にはカルシウムが多く含まれています。
このカルシウムが薬の吸収を悪くすることがあります。
牛乳中のカルシウムがお薬と結合し、溶けにくい物質(キレート)に変化し、薬の吸収が低下します。
全ての薬が影響を受けるわけではありませんが、「レボフロキサシン」などのニューキノロン系抗菌薬、「アレンドロン酸ナトリウム水和物」・「リセドロン酸ナトリウム水和物」などのビホスホネート系骨粗鬆症治療薬、抗菌薬の「ミノサイクリン」などが含まれます。
牛乳と服用すると効果が落ちることがあるため、牛乳で服用しないようにしてください。

お酒

お酒を寝る前に飲んでいる人は多いですが、そのお酒でお薬を飲んでいいのでしょうか?

睡眠薬(ベンゾジアゼピン系)の副作用(記憶障害、意識障害、ふらつきなど)が強く現れることがあり、とても危険です。
飲酒後には睡眠薬の服用は避けるべきです。
お酒は百薬の長とも言いますが、いずれにしても、お薬を服用しているときはお酒を控えることが肝心です。

コーヒー

コーヒーを食後に飲むことはよくありますが、そのコーヒーでお薬を飲んでいいのでしょうか?

コーヒーに含まれるカフェインは、体内でCYP1A2という酵素で代謝されます。
お薬の中には、このCYP1A2の働きを悪くする薬があります。
このような薬と同時に服用すると、カフェインの作用(不眠、不安、イライラ感、頭痛など)が強く現れることがあります。
CYP1A2の働きを悪くする薬の代表例として、フルボキサミンマレイン酸があります。

お茶

お茶について、昔は鉄剤はお茶で飲んではいけないとされていましたが、現在ではお茶で飲んでも吸収に差がないとされています。お薬はお茶で飲んでもかまいません。

理想は

理想的な薬の飲み方は、コップ一杯(200ml)の水で飲むことです。
水なしでお薬を飲むと、食道に引っかかったりして潰瘍を引き起こす恐れがあります。
また、お薬は溶けてから小腸で吸収されるため、水分は必要です。
最近では水なしでも服用できる口腔崩壊錠も増えており、高齢者の方にも服用しやすくなっています。