市立貝塚病院
副院長 泌尿器科主任部長
能勢和宏
「最近、おしっこがあわ立つんです。病気ですか?」
外来での患者さんのご質問で、本当によく聞かれる内容なのです。
多くは正常です。洋式トイレの場合、尿勢(尿のいきおい)によりあわ立つことも多いです
ただ・・・病気が潜んでいる場合もあります。
①脱水
原因の一番は脱水が影響しているといわれています。
脱水状態になると、尿の濃度が濃くなります。尿の中には胆汁が代謝されて作られるウロビリノーゲンが含まれており、ウロビリノーゲンの濃度が濃くなると界面活性作用により尿がよく泡立つようになります。また、朝の尿があわ立ちやすのも、夜間水分摂取が少なく、汗や呼吸で水分が失われている状態だからです。
②ネフローゼ症候群や他の腎炎によるたんぱく尿
むくみが強い人は、たんぱく尿を症状とする腎臓病が潜んでいることもあります。
「たんぱく」は界面活性の性質をもっているため、石鹸があわ立つのと同じメカニズムで、尿があわ立ちます。腎臓病は程度により、透析療法や腎移植などに移行するケースがあり、「不治の病」に発展します。
③尿路感染症や隣接臓器の疾患
尿臭がする場合やにごりがある場合は、膀胱炎などの尿路感染症かもしれません。
膀胱炎などの尿路感染症や、婦人科や腸の病気で尿路まで影響のある場合も、尿があわ立つことがあります。その場合は、消化器や婦人科、泌尿器科の専門医にお尋ねいただくことをお勧めします。
④糖尿病や心臓疾患など内科的疾患
糖尿病やその治療薬で尿に糖を排泄している場合や、心臓病の影響もあります。これらの疾患は進行すると腎不全に移行します。その影響で、尿があわ立つ可能性があるので精密検査が必要です。
ほとんどが正常ではありますが、重大な疾患が潜んでいる可能性もありますので、
遠慮なく、かかりつけ医や、内科もしくは泌尿器科にご相談ください。