当科では、検査業務の安全性、正確性をモットーに、血液・尿・その他の体液検査・生理検査などを行っています。夜間・休日は臨床検査技師が呼出体制で検査に対応しています。また、小児科救急の輪番制にも、当直体制で対応しています。
当科の理念は以下を掲げ、多様化・複雑化する医療現場でのニーズに対応しています。
1. 高水準・良質な検査
2. 患者さまの立場に立った検査
3. 迅速な検査
4. 効率性
検体検査|血液・尿・喀痰・その他の体液・膿などの検査 | |
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血液学検査、生化学検査、免疫血清検査、一般検査、細菌検査、遺伝子検査(PCR・LAMP)、輸血検査 | |
生理機能検査|心電図検査や超音波検査など患者さまの身体の状態を調べる検査 | |
心電図等 | 安静心電図、ホルター心電図、マスター負荷心電図、エルゴメーター、脈波(ABI・CABI)、24時間自由行動下血圧測定(ABPM) |
肺機能検査 | 肺機能検査、NO測定検査 |
超音波 | 腹部、心臓、血管、表在 |
神経生理検査 | 脳波、神経伝導測定検査 |
臨床検査技師14名(病理診断科含む)
検査助手1名
認定資格
病理診断とは、患者さまの体から採取された病変の組織や細胞から顕微鏡用のガラス標本を作製し、この標本を顕微鏡で観察して診断するのが病理診断です。病理診断は適切な治療のための診断で、最終診断として大きな役割を果たします。診断は病理診断を専門とする医師=病理医が診断しています。
尿や喀痰、腹水・胸水などには癌細胞が含まれていることがあります。それらをスライドガラスに塗抹し、癌細胞の有無を調べる検査です。乳腺や甲状腺などの腫瘍を注射器で吸って検査することもあります。子宮癌検診では子宮頚部の細胞をガラスに塗抹して調べます。
細胞診では最終診断とはなりませんが、比較的患者さまへの侵襲が少ない検査のためスクリーニング検査して広く行われています。
病変の一部の組織をとって調べる検査です。良性か悪性かを判断し、その後の治療につなげます。
手術で摘出された臓器は、病変の大きさや広がり、腫瘍のタイプを確認するため診断に必要な部分を切り取り、顕微鏡用のガラス標本として作製されます。
病理医はこれを顕微鏡で観察し、どのような病変がどこまで進行しているか、病変が手術で取りきれているか、転移があるのか等の情報を病理報告書として作成し担当医に報告します。その後の治療方針に大きく影響します。
手術前に病理診断ができなかった腫瘍の良悪を、手術中に摘出された組織で診断します。
また、癌の手術では病変がとりきれたかどうかを確認するための断端の診断や、リンパ節に転移があるかどうかの診断もあり、手術の摘出範囲に大きく影響します。
ご遺族の承諾のもとに、病死された患者さまのご遺体を解剖させていただくのが病理解剖です。生前の診断が正しかったのか、治療は適切であったか、どのような転帰で亡くなられたのか、などを調べます。
解剖時には肉眼所見のみを主治医に報告します。後日、作成された顕微鏡のガラス標本などの所見を総合して得られた最終診断は病理医から主治医に報告され、ご遺族に説明されます。
病院の診療の質を維持し、さらに向上させるため、病理診断の意義はきわめて大きいです。正しく診断されなければ、本当に適切な治療は行えないからです。
病理医は、一般社会では十分知られている医師ではありません。しかし、病理診断の存在を知っているひとであれば、生検や手術を受けた際には、「本当に信頼のおける病理医に、正しく診断してもらいたい」と思うことでしょう。
私たち病理医は、多くのひとから信頼を得られるよう努力しつつ、最終診断を担うものとしての責任と自負を持って、日々の業務にあたっています。また、病理医が直接患者さまに接することは少ないのですが、病気をもつひとが顕微鏡の向こうにいることを常に念頭において、病理診断をするよう心がけています。
やまざき まさる
山﨑 大
診療局長、病理診断科部長
専門分野:
病理診断学全般資格:
・日本病理学会認定病理専門医
・日本病理学会病理専門医研修指導医
・日本臨床細胞学会細胞診専門医
・死体解剖資格認定