「経尿道的前立腺水蒸気治療を開始(令和5年4月~の予定)」詳しくはこちら
泌尿器科では、腎・腎盂尿管・膀胱・前立腺・精巣などの泌尿生殖器癌や後腹膜悪性腫瘍に対する、手術・放射線・化学療法を中心としたがん治療を行っています。
また一般泌尿器科疾患として、前立腺肥大症・過活動膀胱・神経因性膀胱・腹圧性尿失禁のような排尿障害、尿路結石症や尿路感染症の薬物・手術治療だけでなく、副腎腫瘍と上皮小体(副甲状腺)腫瘍に対する内分泌外科治療、停留精巣や膀胱尿管逆流症のような小児先天性疾患の手術にも対応いたします。
泌尿器科手術は従来から内視鏡手術が中心で、膀胱鏡・尿管鏡・腹腔鏡下手術を積極的に行っています。当院は、透析センターを有していないことから、慢性腎不全における腎移植・透析関連手術は行っていません。
膀胱がんの多くは表在性乳頭状がんで経尿道的腫瘍切除術(TUR-BT)で治療可能です。しかし表在性膀胱がんは、膀胱内で再発しやすく、再発頻度の高い方・多発性の方にはBCGの膀胱内注入療法を行い、再発防止を計ります。また表在性の中でも上皮内がんの多くはBCG膀胱内注入療法により膀胱温存が可能です。局所浸潤性膀胱がんの標準的治療は原則膀胱全摘術ですが、術前もしくは術後に全身化学療法を追加することがあります。膀胱全摘術にともなう尿路変更術では主に回腸導管造設術,自然排尿型尿路変更術を行います。また膀胱全摘術ができない方・希望されない方にはTUR-BT・化学療法・免疫療法(免疫チェックポイント阻害薬)・放射線療法などを組み合わせた集学的治療による膀胱温存治療にも取り組んでいます。患者さまの年齢、体力、合併症、適応、QOLに応じた治療を選択します。
腎盂尿管がんも、膀胱がんと同じくほとんどが尿路上皮から発生しますが、腎盂・尿管は膀胱に比べて壁が薄く、特に悪性度の高いがんは早期に浸潤・転移をきたしやすいのが特徴です。泌尿生殖器がんのなかで最も予後不良ながんです。切除可能であれば原則腎尿管全摘除術を行います。腹腔鏡下手術を中心に行っています。進行がん、転移がんでは積極的に全身化学療法、免疫療法、放射線療法による集学的治療を行います。
近年増加しているがんの一つですが、人間ドックや他疾患観察中の超音波・CT検査により偶然発見される早期がんが増えています。最も良い治療法は手術による摘除術で、根治的腎摘除術のほとんどは腹腔鏡手術で行います。また4cm以下の腫瘍であれば、その多くは部分切除術でも全腎摘除術と比べて生存率は変わりませんので、腎機能温存の目的で部分切除術を薦めます。症例によっては腹腔鏡下部分摘除術も可能です。近年、腎がんでは化学療法の進歩が著しく、生存率が向上しています。根治切除不能または転移性の腎がんに対しては分子標的薬や新しい免疫療法(免疫チェックポイント阻害薬)を行います。
男性のがんである前立腺がんは罹患率の高いがんですが、がんの中で最も生存率の高いがんです。前立腺特異抗原(PSA)検査の普及により早期に発見される症例が増えているからだけでなく、進行がんでも内分泌療法が奏功するためです。当院には、副作用の少ない高精度放射線治療装置があり、局所限局または局所進行がんの根治的治療法として、年間治療件数も豊富で多くの治療実績があります。近年、手術療法はロボット支援手術が中心ですが、当院は同支援機器を保有しないため対応できません。悪性度の高い局所進行がんや発見時に骨または他臓器に転移のある方の多くは数年後にホルモン治療抵抗性再燃がんになります。近年、新しいホルモン療法、化学療法、遺伝子治療が進歩し、このような再燃がんに対しても有効な抗がん剤治療があります。
腎・尿管の結石を上部尿路結石といいます。上部尿路結石症(腎・尿管結石)外科的治療の3本柱である体外衝撃波結石破砕術(ESWL),レーザーを用いた経尿道的腎尿管結石砕石術(TUL)や経皮的腎尿管結石砕石術(PNL)による低侵襲的手術が可能です。大きい珊瑚状腎結石や上部尿管結石に嵌頓する大きな結石に対しては、砕石・排石効率を高め、手術治療回数を減らす目的でTAP(TUL・PNL同時併用手術)を行います。
排尿の質を考慮した薬物療法を中心に行いますが、前立腺肥大症は進行性疾患であり、薬剤抵抗性の大きな前立腺肥大症や尿道閉塞の強い症例は手術を行います。低侵襲の経尿道的前立腺切除術(TUR-P)、経尿道的前立腺核出術(TUEB)を中心に行います。
2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|
腎 |
腎摘除術 | 5 | 6 | 6 | 8 | 8 | 4 |
腎部分切除術 | 2 | 5 | 3 | 5 | 1 | 7 | |
腎尿管全摘術 | 4 | 5 | 4 | 8 | 12 | 8 | |
経皮的腎尿管砕石術 | 0 | 5 | 2 | 2 | 10 | 3 | |
体外衝撃波腎・尿管 結石破砕術 |
57 | 51 | 55 | 68 | 38 | 22 | |
経皮的腎嚢胞穿刺術 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | |
経皮的腎瘻造設術 | 0 | 6 | 15 | 5 | 6 | 6 | |
腎盂形成術 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
副腎摘出術 | 0 | 0 | 1 | 2 | 2 | 2 | |
尿 管 |
経尿道的尿管砕石術 | 36 | 21 | 22 | 33 | 60 | 77 |
尿管膀胱新吻合術 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 4 | |
経尿道的尿尿管 ステント留置術 |
108 | 94 | 63 | 81 | 84 | 143 | |
膀 胱 |
膀胱全摘除術 | 5 | 2 | 2 | 0 | 2 | 1 |
膀胱部分切除術 | 2 | 0 | 3 | 0 | 0 | 3 | |
回腸導管造設術 | 5 | 0 | 2 | 0 | 3 | 1 | |
経尿道的膀胱腫瘍切除術 | 98 | 97 | 105 | 111 | 112 | 100 | |
尿膜管腫瘍切除術 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | |
膀胱脱手術 | 0 | 2 | 5 | 0 | 0 | 0 | |
経尿道的膀胱砕石術 | 18 | 10 | 13 | 21 | 15 | 16 | |
前 立 腺 |
前立腺全摘除術 | 22 | 11 | 12 | 2 | 0 | 0 |
被膜下前立腺摘除術 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | |
経尿道的前立腺切除術 | 33 | 37 | 21 | 22 | 23 | 22 | |
前立腺生検 | 111 | 125 | 96 | 100 | 71 | 82 | |
尿 道 |
内尿道切開術 | 2 | 3 | 2 | 1 | 0 | 4 |
TVT尿道つり上げ術 | 1 | 2 | 3 | 2 | 2 | 3 | |
カルンクル切除術 | 1 | 5 | 1 | 0 | 0 | 0 | |
陰 嚢 ・ 陰 茎 |
精巣固定術 | 4 | 5 | 2 | 2 | 4 | 5 |
高位精巣摘除術 | 15 | 9 | 4 | 4 | 2 | 4 | |
陰嚢水腫根治術 | 5 | 6 | 2 | 5 | 9 | 9 | |
被膜下精巣摘除術 | 0 | 0 | 1 | 2 | 4 | 7 | |
包茎手術 | 3 | 3 | 5 | 7 | 4 | 9 | |
他 | 上皮小体摘除術 | 2 | 0 | 1 | 2 | 0 | 1 |
後腹膜腫瘍摘除術 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 2 | |
その他 | 10 | 18 | 13 | 40 | 39 | 31 | |
(合計) | 554 | 529 | 466 | 533 | 513 | 579 |
のせ かずひろ
能勢 和宏
副院長、泌尿器科主任部長
資格:
・日本泌尿器科学会専門医 / 指導医
・日本泌尿器科学会 泌尿器腹腔鏡技術認定医
・日本がん治療認定医制度暫定教育医
・難病指定医
・大阪泌尿器科臨床医会理事
すぎもと こういち
杉本 公一
泌尿器科部長
資格:
・日本泌尿器科学会専門医 / 指導医
・日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
・日本排尿機能学会専門医
・日本臨床腎移植学会認定医
・臨床研修指導医
・難病指定医
・看護師特定行為研修指導者
はまぐち まもる
浜口 守
泌尿器科副医長
資格:
・日本泌尿器科学会専門医
なかやま たかひと
中山 尭仁
泌尿器科副医長
休診情報はありません。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1診 | 能勢 和宏 | 杉本 公一 | 能勢 和宏 | 森 康範 | 杉本 公一 | 初診・急患 |
2診 |
橋本 士 |
浜口 守 | 初診・急患 |
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
---|---|---|---|---|---|---|
2診 | 手術日 | 中山 尭仁 | 外来手術 | 手術日 | 浜口 守 |
医師の交替や変更、また休診の場合もございますのでご注意願います。