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リンパ浮腫外来・乳がん看護外来

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リンパ浮腫外来・乳がん看護外来について

リンパ浮腫外来

皮膚の下には、リンパ液を運搬するリンパ管が張り巡らされており、左の鎖骨の部分で静脈へつながっています。
リンパは、組織内の余分な体液の他、老廃物や細胞、細菌やウイルスなども運搬します。
また、脇の下や首、そけい部にあるリンパ節は、集めた老廃物や細菌などを濃し取る免疫機能も持っています。

リンパ浮腫

リンパの流れが何らかの理由で悪くなると、リンパ液が脂肪の間などに溜まるため、むくみなどの症状が起こります。これがリンパ浮腫です。
発生の原因には、乳がんや子宮がんなどの手術でリンパ節を取り除いたり、放射線治療によってリンパ管が傷害されることなどがあります。手術後すぐに発症する場合も、10年以上経ってから症状が現われてくる場合もあります。

リンパ浮腫は、日常生活に支障が出たり、免疫機能が低下して感染症の危険が高くなるので放置してはいけません。また、重症化した場合、外見が変わることで強いストレスとなることもあります。

診療内容

リンパ浮腫外来では、手足がむくむリンパ浮腫の患者さまを対象に、むくみを軽減させるリンパマッサージ(リンパドレナージ)を行う他、ご自身でケアするための指導を行っています。
一度発症すると完治が難しいリンパ浮腫ですが、セルフケアをしっかりと行うことで、症状の改善や悪化を食い止めることができます。症状と上手につきあって、ご自分らしい生活を送っていただくお手伝いをと願っています。

リンパ浮腫外来の診療
  • リンパマッサージ(リンパドレナージ)の実施と指導
  • スキンケア指導
  • 圧迫療法や弾性着衣(ストッキングやスリーブ)の選定・脱着指導
  • 圧迫下での運動指導

リンパ浮腫ケアの専門家 リンパドレナージセラピスト
乳がんや子宮がんの手術後のQOL(生活の質)を高めるため、リンパ浮腫を知り、適切なケアを受けていただくことはとても重要です。
しかし、リンパドレナージを行うセラピストの数も少なく、リンパ浮腫ケアの認知度も低いため、日常の不便や困難を抱えて生活している方が多いのが現状です。
当院では、リンパ浮腫ケアの専門家としてリンパドレナージセラピストの資格を持つ3名の看護師が担当しています。

診療概要(完全予約制)
対象 当院で乳腺、婦人科手術を受けられ、主治医がリンパ浮腫と診断し、治療・指導が必要と判断された患者さまで自費診療を承諾された方
実施日 毎週水曜日
費用 初回(問診・測定・指導など) 上肢(90分)3,500円 / 下肢(100分)4,000円
2回目以降(セラピストによるドレナージなど) 上肢(60分)4,000円 / 下肢(90分)6,000円
セルフドレナージ指導 上肢(60分)4,000円 / 下肢(90分)6,000円

乳がん看護外来

乳がんからあなたを守るために ブレストウェアネス

乳がんは家庭や社会で役割や責任が大きい40歳代から50歳代の女性に多い病気です。乳がんと告知されると患者さまご自身のショックはもちろんのこと、家族やパートナーなど周囲も大きな心理的負担を受けます。乳がんと告知はされていなくても乳がんではないかと心配して受診された方もまた漠然とした不安を抱えることとなります。

また乳がん治療は、選択肢の多様化や治療期間の長期化に伴い、患者さまの悩みも様々で、長期にわたり外来通院しながら再発や転移の不安と共に生活をしなければいけないという大変なものです。

「外来ではゆっくりと相談するタイミングが難しい」「入院してもあっという間に退院になった」「こんなことで相談しもいいのかな」など患者さまからの声もいただき、2012年12月より乳がん看護認定看護師による乳がん看護外来を開設いたしました。

相談内容
  • 乳がん告知後の心理的サポート
  • 手術の方法や治療の選択のサポート
  • 手術や抗がん剤(化学療法)による外見の変化へのサポート
  • 手術による影響や治療による副作用に対するサポート
  • (手術後の)リンパ浮腫の早期発見や予防のサポート
  • 乳房再建に関する相談
  • 乳がんの遺伝子検査に関する相談
  • 乳がん検診や自己検診の啓発
診療概要
対象 当院かかりつけの患者さま、または家族
実施日 月曜日 火曜日 木曜日 金曜日(1人:30分)
予約 主治医または乳がんセンター、または病棟看護師、受付職員に声をかけてください。
費用 来院された状況や保険の種類等によって異なりますので、お問い合わせください。
乳がん看護外来の役割
乳がん看護外来の役割

これまで毎月15人ほどの乳がん患者さまに利用していただいています。主に乳がんと告知されこれから治療に入るという方、また治療中の方、治療がすべて終了した方、再発転移の不安が強い方など、年齢も状況も様々です。
乳がんを告知されわけもわからぬまま主治医の勧めで看護外来にいらっしゃった方も少なくありません。

「何を話せばいいのか」と戸惑いながら来られた方が、思いつくままにお話ししていただいた事で少しずつ気持ちが整理できたと少しほっとして帰っていかれたこともあります。
1人1人が納得して治療を受けられ、病気であっても前向きに、その人らしい生活を歩んでいけるようサポートさせていただきます。

最後に、乳がん患者さまはひとりで疑問や不安を抱え込みがちです。家族にも遠慮して言えない悩みなど、乳がん看護外来ではどんなご相談でも伺っています。
しかし患者さまと一緒に悩み、涙することも多く、解決できないこともしばしばあります。その場合、乳がん看護外来は患者さまと様々な専門職をつなぐ「橋」の役割もあります。

乳がん治療に1番大切なのはチーム医療です。医師と看護師だけではなく、薬剤師や医療相談員、検査技師や事務職など様々な職種と共に常に協働しています。また外来と病棟も情報の共有を行い、出来るだけ患者さまの不安や負担を軽減できるように患者さまのサポート体制をしっかり作っていくことも乳がん看護外来の役割だと考えています。