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「小児の斜視・弱視の視能訓練」について

人は情報の80%を視覚によって得ていると言われています。視力障害には、はっきり見えない(視力障害)、見える範囲が狭い(視野障害)、二重に見える(複視)、見えていても解らない(視覚認知障害)などがあり、日常生活に不自由を強いることになってしまします。

回復困難な視力障害もありますが、目の発達時期に適切な訓練や処置を行うことで改善や回復できる視力障害もあります。
お子さんの将来のために、3歳児半健診を必ず受けて異常が見つかった場合などに、適正な時期に適切な治療や訓練が重要となります。

斜視について

斜視とは

斜視とは、目の位置(両眼の視線)が同じ方向に向かう状態です。

脳には、両目で見た像を一つに統合して立体的に見る「両眼視機能」があります。
「両眼視機能」は6歳位までに完成すると言われていますが、斜視があると正常に像を結べず、両眼視の発達を妨げてしまいます。

斜視の種類

弱視について

弱視とは

「見る」とは、視覚情報が脳の中に伝わり認識することです。視覚情報は角膜→水晶体→硝子体を通って網膜でピントが合い、視神経を通って脳に伝わります。
弱視は、この伝達経路に何らかの支障があるために起こります。視力の発達する時期に網膜上に鮮明な像を結ぶことができず、視覚中枢の発達が妨げられて視力の発達が止まったり遅れたりすることで視力が出にくい状態になるのです。
裸眼の視力が悪くても眼鏡での矯正で視力がでる場合は弱視とは言いません。

「見る」ための情報の流れ

弱視の主な原因

  • 片方の目が使われない
    斜視で片目の視線がずれている場合、その目は使われなくなります。
    また、右眼と左眼の屈折度数(近視、遠視や乱視などの屈折異常の程度)に大きな差がある場合も、屈折度数の大きい方の目が使われないため視力が発達しません。
  • 網膜にピントが合わない
    両目に強い遠視や乱視がある場合は網膜でピントが合わず、細かい部分を見るための視神経の発達が妨げられます。
  • 網膜に十分な光が入らない
    生まれたときから瞼が下がっている、黒目の部分が濁っているなどの病気のため、網膜に刺激が十分に入らないことで網膜に鮮明な像を結べず、視神経の発達が妨げられます。原因を取り除く手術が必要なこともあります。

視能訓練について

視能訓練とは

斜視のために両眼視機能に障害のある方や、屈折異常や斜視が原因の弱視の方に、視機能回復を目的として行う矯正訓練指導です。
視能訓練は、医師の指導のもと「視能訓練士」の国家資格を持つ専門家が行います。

視能訓練の内容

  • 眼鏡による治療
    矯正用めがねを掛け、網膜の中心部にピントを合わせて鮮明な像を脳に送ることで視機能の発達を促していきます。 眼鏡にズレがあると効果が得られないため、正しい位置に眼鏡をかけられるようにしなくてはなりません。
  • 遮蔽具(しゃへいぐ)を使用する治療
    視力の良い方を遮蔽具(=アイパッチ/目に貼る絆創膏のようなもの)で隠し、強制的に悪い方の目で見ることで、悪い方の目の視機能の発達を促していきます。
遮蔽具を使用する治療
視能訓練の時期と3歳半健診

人の「見る」能力は、生まれた後に外界からの適切な視覚刺激を受けることによって発達します。外界からの刺激によって脳の神経回路が集中的に作られて視力が発達する時期を感受性期と言います。
感受性期は8歳位までと考えられており、弱視の治療効果にも影響しやすい時期です。感受性の高い時期ほど弱視治療に対する反応が良く、感受性が減るほど治療に対する反応が悪くなるため、弱視の治療は3~6歳位が効果の出やすい時期と言われています。
しかし、弱視は斜視とは違い日常生活の中では気付きにくく、3歳以下では検査も難しいのが現状です。そこでとても重要なのが3歳半健診です。
3歳半健診で異常が見つかった場合は、放置せず必ず受診してください。